虐待を疑われた人のために
赤ちゃんの頭のケガには、事故によるものと虐待によるものがあると、 日本の脳神経外科医は認めてきました。今もそうです。区別もできます。 ところが、2018 年、突然に日本小児科学会は家庭内で起こるケガで、 急性硬膜下血腫は起こらないという態度を表明しました。
このため、子供が家庭内で頭を打っただけなのに、虐待を疑われて、乳幼児が親子分離(面会謝絶)を3~8週間されるケースが散見されるようになりました。
小児脳神経外科医として、まずは、乳幼児に係わるすべての人に対して、現状をお伝えし、「自衛法」を普及させるしかないと小冊子を作りました。
2022年9月16日に、墨田区子ども・子育て支援部子ども施設課保育係主催の「保育の質の向上のための合同研修」があり、「学齢前の子どもの頭のケガ」について、2時間講師を務めました。
その内容の一部は、2022年の『助産雑誌』76巻6号にレポートとして掲載されました。「赤ちゃんの頭のケガにご用心!」6頁です。小児医療に関わる専門家でもめったに経験しないような3症例が紹介されています。
撮影中のスマホが左顔面に落ちて、頭蓋内出血(生後25日の男児)
つかまり立ちからの後方転倒で頭部打撲、大きなコブと骨折(9カ月男児)
つかまり立ちから後方転倒し、後頭部打撲、急性硬膜下血腫(9カ月男児)
マンガ「引き裂かれた親子」のような“事故”なのに、事故と信じられないで、「厚労省の誤った手引き」のまま虐待扱いされていることが問題です。 マンガの事例は、都内で2020年 6 月に起こったことでした。
若いご両親への医師からの切実なメッセージを、ぜひご覧ください。
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